千馬万怪堂 -大百怪補完録-

妖怪・異形フィギュアの改造・改修・造形記録

幽霊族の女(鬼太郎の母) - 大百怪補完録043

蛙の目玉でも召し上がってくださいな。イヒヒヒヒ

幽霊族の女

幽霊族の女

妖怪紹介

鬼太郎生誕のエピソードは、幽霊飴物語が元にされていると言われています。妊娠中に死した女性が、墓中で出産し、その子のために幽霊となり飴を買い求めるという母の愛を示す物語。 京都で実際にあった話とされ、その飴屋は今も清水寺近くに存在します。

幽霊飴のお話から、鬼太郎の物語に受け継がれたのは、「死んだ母から産まれる赤児」の設定と「死しても尽きない親の愛」。死んだ母から生まれる赤子、目玉だけでも生き続ける父親という描写は、幽霊族の異能さ、生命力の強靭さを表現しつつも、親の死に子供を道連れにすまいとする母の愛と、赤子を一人残すまいとする父の愛の二つの強い愛を感じます。

制作過程

幽霊族の女 制作工程

鬼太郎の母 製作工程
  1. 素材
    大百怪「ふたくちおんな」を利用。
  2. 加工
    頭部はエポパテ造形。両手は関節で刻んだ上でポーズを変えて再接続。
  3. 塗装
    目玉親父の包帯姿と合わせて、白装束としました。

完成品

大百怪 幽霊族の女

大百怪 幽霊族の女

もとにした妖怪と

元にした妖怪と

今回の造形では、貸本版での容姿ではなく、その後描かれる姿を参考としました。貸本版では、痩せ型で爬虫類系の顔つきでしたが、丸みをおびた顔つきです。

鬼太郎親子

鬼太郎親子

当初は名前が明らかにされることもなく、幽霊族の女性として描かれますが、後のエピソード「鬼太郎地獄編」では、岩子という名前が与えられ、幽霊(四谷怪談のお岩さん)の子孫ではあるものの幽霊族ではなく人間として描かれます。人間が幽霊族と契ることは禁忌とされ、そのため地獄に縛られているという設定です。

2023年公開の映画「鬼太郎誕生」では、彼女の存在がどう描かれるか気になりますね。