千馬万怪堂 -大百怪補完録-

妖怪・異形フィギュアの改造・改修・造形記録

田中ゲタ吉 - 大百怪補完録039

美人のやっていたフンドシを締めると気持ちいいナ

田中ゲタ吉

田中ゲタ吉

妖怪紹介

墓の下高校に通う妖怪青年。我らがゲゲゲの鬼太郎のその後の生活が描かれたエピソードでの姿です。
70年代に「週刊実話」で連載された続・ゲゲゲの鬼太郎(もしくは新・ゲゲゲの鬼太郎)で描かれ、その後の書籍化においては「その後のゲゲゲの鬼太郎」だったり「青春時代/スポーツ狂時代」のタイトルとされています。その内容は、掲載誌の読者層に合わせてか、下ネタ満載で、後の水木先生のコメントによると鬼太郎フアンからは不評だったようです。今でもマニアックな作品扱いされていますが、自分は、この作品における鬼太郎のダラけ具合が大好きで、水木作品の中でも一番好きな作品です。
書籍化されたものはいくつかありますが、何故かエピソードの収録順がバラバラです。2010年の角川文庫版(タイトル:青春時代/スポーツ狂時代の2冊)が連載当時の発表順でまとめられていて、これから読まれる方にはオススメです。

制作過程

田中ゲタ吉 制作工程

田中ゲタ吉 製作工程
  1. 素材
    頭部は大百怪「豆腐小僧」、胴体は「鬼太郎」からレジン複製して利用。
  2. 加工
    目はプラ板を切り抜いたものを貼り付け、頭髪はエポパテ整形。
    手足は、一度切り離し、延長しています。ちゃんちゃんこと短パン衣装も削り取った上で、エポパテで形を整えています。
  3. 塗装
    少年鬼太郎と同じカラーリングですが、靴は革靴をイメージしています。

完成品

大百怪 田中ゲタ吉

大百怪 田中ゲタ吉

豆腐小僧 と 田中ゲタ吉

豆腐小僧 と 田中ゲタ吉

小顔でちょっとイケメンっぽくなったのは、新悪魔くんの埋れ木一郎と並べたくてルックスを寄せたから。ともに代表的なタイトルを冠する作品の、水木作品には珍しい青年主人公なのでセットで考えました。制作も同時に行いました。田中ゲタ吉の服装には半袖と長袖の両方がありますが、半袖にしたのも埋れ木一郎と合わせたからです。並べるとちょっとジュブナイルな感じがしますね。

青年鬼太郎と青年悪魔くん

青年鬼太郎と青年悪魔くん

もう一つの「その後のゲゲゲの鬼太郎」

「その後のゲゲゲの鬼太郎」というタイトルには、この田中ゲタ吉のエピソードの他に、少年マガジンでの連載終了後に発表された短編も存在しますが、これもオススメです。その短編での鬼太郎は、おなじみの少年の姿ですが、連載終了後(妖怪たちとの激しい闘争後)の休暇を描いたとされる内容で、田中ゲタ吉のエピソードと同様、正義のヒーローから開放された鬼太郎を楽しむことができます。冒頭からスカトロジーな掛け合いに始まり、そのラストでは、鬼太郎の「男性」としての一面が描かれ、ちょっと衝撃的です。フアンの間では賛否あるかもしれませんが、水木しげる先生のあったかもしれないもう一つの人生「南方の楽園での人生」を描いている気がして、こちらも大好きなお話です。