美人のやっていたフンドシを締めると気持ちいいナ
妖怪紹介
墓の下高校に通う妖怪青年。我らがゲゲゲの鬼太郎のその後の生活が描かれたエピソードでの姿です。
70年代に「週刊実話」で連載された続・ゲゲゲの鬼太郎(もしくは新・ゲゲゲの鬼太郎)で描かれ、その後の書籍化においては「その後のゲゲゲの鬼太郎」だったり「青春時代/スポーツ狂時代」のタイトルとされています。その内容は、掲載誌の読者層に合わせてか、下ネタ満載で、後の水木先生のコメントによると鬼太郎フアンからは不評だったようです。今でもマニアックな作品扱いされていますが、自分は、この作品における鬼太郎のダラけ具合が大好きで、水木作品の中でも一番好きな作品です。
書籍化されたものはいくつかありますが、何故かエピソードの収録順がバラバラです。2010年の角川文庫版(タイトル:青春時代/スポーツ狂時代の2冊)が連載当時の発表順でまとめられていて、これから読まれる方にはオススメです。
制作過程
- 素材
頭部は大百怪「豆腐小僧」、胴体は「鬼太郎」からレジン複製して利用。 - 加工
目はプラ板を切り抜いたものを貼り付け、頭髪はエポパテ整形。
手足は、一度切り離し、延長しています。ちゃんちゃんこと短パン衣装も削り取った上で、エポパテで形を整えています。 - 塗装
少年鬼太郎と同じカラーリングですが、靴は革靴をイメージしています。
完成品
小顔でちょっとイケメンっぽくなったのは、新悪魔くんの埋れ木一郎と並べたくてルックスを寄せたから。ともに代表的なタイトルを冠する作品の、水木作品には珍しい青年主人公なのでセットで考えました。制作も同時に行いました。田中ゲタ吉の服装には半袖と長袖の両方がありますが、半袖にしたのも埋れ木一郎と合わせたからです。並べるとちょっとジュブナイルな感じがしますね。
#その後のゲゲゲの鬼太郎
— yokai1999 (@barou_1999) 2022年3月3日
鬼太郎とねずみ男の本質は「束縛を嫌う怠け者」か「楽して儲かりたい怠け者」かの違いで、共に水木先生の理想を体現していると解釈しています。二人がヒーローとピエロの相対する描かれ方になったのは、物語を拡げる上で必要な措置だったのでしょう。(続く) pic.twitter.com/LMtyJ7Btid
鬼太郎の青年編では、ヒーローとしての束縛から解放された鬼太郎がまったりと描かれています。お人好しでオンナ好きでだらしない。目玉親父も酔っ払いのエロ親父。非常に好ましい。ねずみ男は、まあ、相変わらず。みんなが、羨ましくなる自堕落さで、水木作品で一番好きな作品です。最高だよ、ホント
— yokai1999 (@barou_1999) 2022年3月3日
もう一つの「その後のゲゲゲの鬼太郎」
「その後のゲゲゲの鬼太郎」というタイトルには、この田中ゲタ吉のエピソードの他に、少年マガジンでの連載終了後に発表された短編も存在しますが、これもオススメです。その短編での鬼太郎は、おなじみの少年の姿ですが、連載終了後(妖怪たちとの激しい闘争後)の休暇を描いたとされる内容で、田中ゲタ吉のエピソードと同様、正義のヒーローから開放された鬼太郎を楽しむことができます。冒頭からスカトロジーな掛け合いに始まり、そのラストでは、鬼太郎の「男性」としての一面が描かれ、ちょっと衝撃的です。フアンの間では賛否あるかもしれませんが、水木しげる先生のあったかもしれないもう一つの人生「南方の楽園での人生」を描いている気がして、こちらも大好きなお話です。