千馬万怪堂 -大百怪補完録-

妖怪・異形フィギュアの改造・改修・造形記録

ランスブィル - 大百怪補完録065

いうことをきくから胃にあなをあけないでくれ

南方妖怪ランスブィル

ランスブィル

妖怪紹介

南方妖怪5体目はランスブィル。ここからは「血戦小笠原」に登場した妖怪が続きます。
「血戦小笠原」に登場する吸血妖怪は、いずれも可哀想なぐらいゲゲゲ一家にコテンパンにやられます。このランスブィルは、出鼻を子泣き爺に挫かれたあとは、無敵の目玉親父の支配下におかれ、あっさりと白旗をあげて鬼太郎一家の軍門に下ります。見た目のインパクトが強烈なだけにとても不憫。

制作過程

ランスヴィル 制作工程

ランスブィル 製作工程
  1. 素材
    ボディは大百怪「かまいたち」、足は「あずき洗い」、手は「ひでりがみ」、頭部の口部分は「ふたくちおんな」の後頭部からそれぞれパーツ取りや複製をしています。
  2. 加工
    ベースにした「かまいたち」の肩部分が力んだ形状なので、やや脱力したポーズに変えつつ、死者の化け物らしく各所が曲がった姿勢としました。また、衣服も長くズタボロに加工。
    頭部は「ふたくちおんな」の口部分に、頭部のおおよその形状を切り抜いたプラ板を貼り付け、そこにエポパテを盛り付けます。形状を整えた後、プラ板で、目、耳、鼻、牙、髭等のパーツを作成し貼り付けました。
  3. 塗装
    カラーリングは水木先生のカラー絵を参考にしつつ、東南アジアの民芸品も参考としました。

完成品

大百怪 ランスヴィル

大百怪 ランスブィル

5期アニメでは、マスコット的扱いになりますが、個人的には粗野で荒々しい描かれ方のほうが好みです。

かまいたちとランスブィル

もとにした妖怪と

ランスブィルは、マレーシアの妖怪で死んだ妊婦の霊らしいのですが(妖怪大百科、怪鬼化(むじゃら)ではランスグイルの表記で紹介されています)、水木先生の描く容姿に女性らしい要素は無く、民芸品をモチーフにしたであろう東南アジアらしい鬼のような、龍のような造形がカッコいいです。
今回は、バケモノを作る、というより民芸品の再現といったキモチで取り組みました。作るのは大変でしたが、楽しかった。