いうことをきくから胃にあなをあけないでくれ
妖怪紹介
南方妖怪5体目はランスブィル。ここからは「血戦小笠原」に登場した妖怪が続きます。
「血戦小笠原」に登場する吸血妖怪は、いずれも可哀想なぐらいゲゲゲ一家にコテンパンにやられます。このランスブィルは、出鼻を子泣き爺に挫かれたあとは、無敵の目玉親父の支配下におかれ、あっさりと白旗をあげて鬼太郎一家の軍門に下ります。見た目のインパクトが強烈なだけにとても不憫。
制作過程
- 素材
ボディは大百怪「かまいたち」、足は「あずき洗い」、手は「ひでりがみ」、頭部の口部分は「ふたくちおんな」の後頭部からそれぞれパーツ取りや複製をしています。 - 加工
ベースにした「かまいたち」の肩部分が力んだ形状なので、やや脱力したポーズに変えつつ、死者の化け物らしく各所が曲がった姿勢としました。また、衣服も長くズタボロに加工。
頭部は「ふたくちおんな」の口部分に、頭部のおおよその形状を切り抜いたプラ板を貼り付け、そこにエポパテを盛り付けます。形状を整えた後、プラ板で、目、耳、鼻、牙、髭等のパーツを作成し貼り付けました。 - 塗装
カラーリングは水木先生のカラー絵を参考にしつつ、東南アジアの民芸品も参考としました。
完成品
5期アニメでは、マスコット的扱いになりますが、個人的には粗野で荒々しい描かれ方のほうが好みです。
ランスブィルは、マレーシアの妖怪で死んだ妊婦の霊らしいのですが(妖怪大百科、怪鬼化(むじゃら)ではランスグイルの表記で紹介されています)、水木先生の描く容姿に女性らしい要素は無く、民芸品をモチーフにしたであろう東南アジアらしい鬼のような、龍のような造形がカッコいいです。
今回は、バケモノを作る、というより民芸品の再現といったキモチで取り組みました。作るのは大変でしたが、楽しかった。