千馬万怪堂 -大百怪補完録-

妖怪・異形フィギュアの改造・改修・造形記録

悪魔ベルゼブブ - 大百怪補完録018

魔女をつかってならいろいろなことができるのだ!

ベルゼブブ

悪魔ベルゼブブ

キャラクター紹介

貸本のリメイク版である「千年王国」の大きな変更点の一つが、この悪魔の存在です。ただのペテン師だった貸本版からは、容姿・能力が大きく変わります。容姿については、あからさまな人外キャラ、如何にも悪魔です。その能力も、当初は貸本版同様に「何もできない」と嘯きますが、その直後から暗躍し「魔女」を得てからは人ならざる力をバリバリ発揮します。
私は松下悪魔くんは貸本から入ったので、当初は、そのあまりのキャラ変ぶりにとまどい、登場時の一連の会話には違和感を感じました。貸本版が全5巻構想のところ3巻で打ち切りになったことは有名ですが、貸本版悪魔も、実はベルゼブブのように魔術を使いこなす予定だったのでしょうか?気になるところです。

制作過程

悪魔ベルゼブブ 制作工程

悪魔ベルゼブブ 制作過程
  1. 素材
    身体部分は、大百怪「ひょうすべ」を利用します。ひょうすべの頭部は別キャラで利用するので保管しておきます。
    杖を持った右手は大百怪の大座頭からパーツ取りしました。
  2. 加工
    ベルゼバブ自体の頭部は、エポパテでゼロから造形です。頭髪は、直径1mmのプラ棒をライターで炙って、補足伸ばしたものを1本1本植毛しました。
    背にしたマントはプラ板の上にエポパテを持っています。やや背虫スタイルとしています。
  3. 塗装
    千年王国のカラー表紙絵を参考にしました。瞳の塗装は悪魔ロソンと同じような感じにしています。

完成品

大百怪 悪魔ベルゼブブ

大百怪 ベルゼブブ

新旧悪魔の並び立ち。登場時と終幕時の立ち振舞は同じなのに、途中の動きは全く違いますね。影を潜めて時を伺う貸本版悪魔のロソンに対し、ベルゼブブは縦横無尽に暴れます。なのに、千年王国版のラストコマではちゃっかり悪魔くんの隣に立ち、群衆の喝采を浴びるのです。図々しいというか、世渡り上手にも程があるというか、もしくは、悪魔くんの度量が凄まじすぎるのか、それともその両方なのか。

新旧悪魔

新旧悪魔

貸本版の悪魔は、悪魔くん存命中は「何もできないのだ」宣言の通りに何もしません。悪魔くんの死後、その得意とする「ケチさ」と「ガメつさ」と「演技力」で、佐藤の財を巻き上げ、多くの貧乏人を酷使し現世を地獄へと変えました。千年王国版における悪魔ベルゼブブも同様の恐怖をこの世にもたらします。松下悪魔くんの物語が描かれて60年近い年月が経ちました。経済格差は世界共通の当たり前の問題と化しています。この世はヤモリビトが嘆いた地獄と化したのでしょうか?メシアが現れ、蛙男が待ち望む「不幸のない世界」が実現することはあるのでしょうか?