千馬万怪堂 -大百怪補完録-

妖怪・異形フィギュアの改造・改修・造形記録

河原三平 - 大百怪補完録031

とうとう一人ぼっちになってしまった

河原三平

河原三平

キャラクター紹介

水木しげるを代表する三大少年漫画の一つ。コアなフアンが多いのは、「別れ」という暗く重たいテーマを縦軸に、山奥に暮らす少年と妖怪と動物たちによる穏やかな日常を横軸に描かれた空気感が他では味わえないものだからでしょう。その空気は貸本版の時点ですでに完成度が高く読み応えがありますが、少年漫画版では、少年誌に活動の場を写しプロダクション制の元で描かれた精緻な背景描写とユルユルしたキャラクター描写が、その独特な空気感の完成度を高めます。いい作品だなあ。

制作過程

河童の三平 制作工程

河原三平 製作工程
  1. 素材
    頭部は、三平に先行して制作した かん平をレジン複製したものを利用。なお、かん平は補完録のNo32で紹介しています。
    ボディは他の少年キャラと同様に大百怪鬼太郎を複製したものを利用。
  2. 加工
    かん平の頭部から皿部分をエポパテで埋めて整髪。ボディはチャンチャンコ部分を削って整形。下駄は脱がせて裸足としています。
  3. 塗装
    紺色の服に、自然の元で生きる血色の良い少年の色合いとしています。仕上げはツヤ消しスプレーを塗布しています。

完成品

大百怪 河童の三平

大百怪 河原三平

死神と三平

三平と死神

河原三平は、鬼太郎や悪魔くんと異なり、貸本の時点で完成された姿形です。もっとも貸本版初期では、河童然とした顔ですが。
水木作品ではおなじみの「死神」は大百怪にもラインナップされていましたが、やはり、この死神の横には三平を並べたいよね。

2020年には京極夏彦脚本による舞台化がされましたが、そこでも死神と三平との関係は味のあるものでした。