では、さようなら
妖怪紹介
三平そっくりな河童の長老の息子。波瀾万丈な三平に対してドラマ性が乏しいのは、物語において課せられた役割が「三平とそっくりなカッパであること」であり、存在しているだけで責務を全うしているからで、少年誌版においてはオトトンノトスの後継という一大イベントはあるものの、キャラクターとしてはやや没個性な、発生する出来事を淡々と受け入れる許容力の高い、飄々とした印象のカッパ、ではありますが、三平と狸と並んだ場合のバランスはとてもいい感じで、愛嬌さを感じます。素敵な三人組ですね。
なお、貸本版では、カンペイという名ではなく河太郎と呼ばれています。
制作過程
- 素材
大百怪「セコ」を利用。甲羅部分は、大百怪「河童」の甲羅をレジン複製しています。 - 加工
頭部:セコの頭部の幅を広げて利用。耳は悪魔くんで利用したパーツをレジン複製し、口部分は大百怪「竹切り狸」の口部分をレジン複製しくっつけています。目は、プラ板で新たに作成しています。
ボディ:セコのボディを切って繋げて再構成しています。ひょろ長い手足は、セコの形状をそのまま生かしました。 - 塗装
原作のカラー絵では、緑っぽい体色のものと、うす茶けた黄土色カラーのものがあります。原作エピソード的には、より人間に近いカラーにすべきと思いましたが、ここは河童らしくグリーンカラーとしました。
完成品
原作では、三平と同じ頭身ですが、人外として河童らしいひょろ長い手足としました。
#大百怪における河童展開
— yokai1999 (@barou_1999) 2022年2月3日
大百怪の全7シリーズ各弾には必ず河童系統の妖怪がラインナップされていて、製作陣のカッパへのこだわりと愛情を感じます。妖怪の多様性を体現する存在ですね。シリーズが継続されていたら、かん平も製品化されていたのかな。#水木しげる #カッパ pic.twitter.com/kBmMYTY38u
2021年に公開された舞台「河童の三平」では、三平は男性が演じ、カンペイは女性が演じていました。「三平とそっくりな河童」ではない描かれかたでしたが、違和感は皆無。物語の展開としても違和感が生じないような構成となっていて、さすが、京極夏彦による演出だなあと感心しました。