「大百怪」との出逢い
私が、大百怪の存在を知ったのは、金銭的余裕の無い社会人、かつ、その時点ですでに6巻まで販売済でした。それまでのアイテム(特にシークレット)は既に高騰している状況で、東京は中野まんだらけで「べとべとさん」の価格に目玉が飛び出そうになった記憶があります。
そんな状況で、いくつかは入手したものの、コンプリートは諦念したうえでの蒐集であり、モチベーションはあがることなく、あまり飾ることもなく、無念の想いと共に棚の奥にしまっていました。
実体化されていない妖怪の実体化への挑戦
それから10年以上が経過し、世にコロナが蔓延った2020年夏、緊急事態宣言下の巣ごもり要請を受けて、多くの家庭がそうしたように、我が家でも大掃除に取り組みました。目的の一つには、これを機に断捨離、がありました。ところが、掃除の最中に発掘したのが、大百怪。掃除を進める手が止まり、その造形の細かさ、精緻さに10年ぶりに目を奪われ、頭から「断捨離」の語句は消えて、蒐集欲は燃え上がります。フリマアプリが普及し、少しの財力も得た今、少しの根気とやや大きい出費を厭わない想いでフルカラー版のコンプリートを達成しました。(妻には、使った金額は言えません。)
コンプして感じたのは、やはり、ねずみ男、一反木綿の不在感。
そして、10年前と異なるのは財力だけではなく、仮面ライダーの食玩造形趣味を通して身につけた加工スキル。ねずみ男だけでなく、未ラインナップ化のアノ妖怪やアノキャラクターも再現し、大百怪が果たせなかった100体の実体化を実現できるのではないか、と思い至ります。
このブログでは、そんな経緯で取り組むに至った妖怪造形の過程と成果を「大百怪 補完禄」として紹介していきます。